~陶芸窯の選び方~

いざ、陶芸窯を購入しよう!
と思っても、陶芸窯なんて普通の家庭ではなかなか購入する機会はありませんし、どんな種類、どんな注意点があるのか、まったくわからない方も多いと思います。

ここでは、家庭で使用する陶芸窯について、購入時のポイントなどをまとめています。

陶芸窯の導入を検討している方はぜひ参考にしてみてくださいね☆

陶芸窯の種類

陶芸窯には、

“ガス” で燃やすタイプの窯
“電気” で燃やすタイプの窯
“灯油” で燃やすタイプの窯

大きく分けてこの3種類の窯があります。

ガス窯

構造にもよりますが、比較的に焼き上がりが均一になり、煙も出にくいので一般家庭で使用している方もいます。
プロパンガスを使用するタイプと、都市ガスを使用するタイプがあります。
また、酸化焼成と還元焼成どちらも可能です。
自然燃焼式と強制燃焼式があり、バーナーの構造や炎の燃え方が違います。自然燃焼式はご家庭にあるガスコンロと同じ構造のバーナーで、ガスが出る時の勢いで空気を取り込み燃える方式です。強制燃焼式はファンヒーターと似た構造で送風機から空気を送ってガスと混ぜて燃やす方式で、勢いのある炎が出ます。

ガス圧力の調整や点火、温度上昇の調整、消火など、すべて自身で都度行う必要があり、初心者には少し難しいかもしれません。

電気窯

初心者でも手軽に導入でき、操作方法が簡単なのがこの電気窯です。
家庭用の100Vコンセントで使用できるものから、200V電源を必要とする中型・大型窯まで様々な種類があります。
昇温途中からバーナーなどを使用することにより還元焼成が可能なタイプもありますが、通常は酸化焼成となります。
他の窯と比べると割高ですが、初心者でも安定した焼き物が出来、焼成温度がプログラムされているので安心して使用できます。プログラムを決めてスタートを押すだけで、あとは終了まで待つだけでいいものもあり、おすすめです。

灯油窯

炉内容量で比べると割安で酸化焼成と還元焼成が可能です。還元焼成の際に発生する黒鉛を抑えたタイプも発売されており、住宅街などでも導入される方が増えています。
従来の灯油窯では焼きムラが発生するのがマイナス面でしたが、最近では構造などにより火の回りを効率化させ上下温度差を解消している窯が登場しています。
また、無煙窯の機種は煙はほぼ出ませんが、還元焼成の際は無煙といえど少なからず煙は出ます。住宅街で使用の場合は、それぞれの製造メーカーを比較し、設置場所の環境にあった窯を選ぶと良いでしょう。

そして、この灯油式も、ガス式同様に自身で様々な調整を行わなければならず、終盤には、数時間一定の温度を保たなければならない“ねらし”のために、窯から目を離すことができません。点火から消火まで、陶芸の知識と経験が必要です。

初期費用・運用費を比較

窯自体の購入費用は、大きさや機能などによって変わってきますので、ここでは、導入時の設備費や運用費(電気窯であるならば、電気代など)について比較したいと思います。

ガス窯の初期費用・運用費

まず、ガス窯を導入するには、煙突工事が必要になります。煙突はただ煙を出す為ではなく、焼成にあたり非常に重要な役割を果たします。なるべく直上げして、天井を抜いて出すのがよいでしょう。
また、ガス工事が必要ですので、地元のガス工事専門店へ依頼しましょう。

運用費

炉内寸法:57×47×H53とした場合

15kg(8時間焼成)で2,200円程度

※お住いの地域や契約内容、価格の変動などにより前後します。

電気窯の初期費用・運用費

100V電気窯の場合

100V電気窯は家庭用のコンセントで使用が可能なので、特別な初期費用がかかりません。
しかし、元ブレーカーから離れた場所にあるコンセントでは、電圧が下がって焼成時間が長引く場合があります。
タコ足配線などは使用禁止ですので、必ず1コンセントで使用するようにしましょう。

運用費

炉内寸法:27×27×H30とした場合(例:DMT₋01窯)

素焼き(800℃):約200円/回
本焼(1200℃):約350円/回

200V電気窯の場合

200V電気窯の場合は、初期費用として電気工事が必要です。
しかし、最近の住宅ではエアコン用などに200V電源を引き入れていることもあり、4~5kwクラスの窯であれば、数万円で済む場合もあります。
新規に200V電源引き込み工事をする場合は、10~20万円程度の費用が掛かります。※建物のご状況にもよります。

運用費

200V/5kw窯(例:TRB-J5窯)の場合

基本料金(単相):約1300円/月
素焼き:500~600円/回
本焼き:1000~1200円/回

灯油窯の初期費用・運用費

灯油窯も、ガス窯同様に、煙突工事が必要です。煙突はただ煙を出す為ではなく、焼成にあたり非常に重要な役割を果たします。なるべく直上げし、天井を抜いて出すようにしましょう。

炉内寸法:53×53×H75の場合

35L(8時間焼成)で約2,800円程度

※お住いの地域や契約内容、価格の変動などにより前後します。

窯選びのポイント

さて、それぞれの陶芸窯の特徴やコストを見てみましたが、ポイントを下記にまとめます。

1:自分のライフスタイルで選ぶ

まず、ご自身の生活スタイルを考えてみましょう。

窯入れしたあとに、仕事をやらなければならなかったり、夜はしっかり寝たかったり、子育てをしていたり、、いろいろとやらなければならないことがあるとしたら、灯油窯やガス窯は向きません。

最初に特徴を述べたとおり、灯油窯やガス窯は自身で細かな設定をしたり、温度の上昇・下降具合を調整し、観察し、ねらし時間には付きっ切りで窯を見守らなければなりません。

時間と心に余裕のある方以外は、電気窯になるのでしょうね。

2:コストで選ぶ

どれだけの費用がかかるのか、というのも大事なポイントですね。
なるべくコストを抑えたい方もいれば、こだわりの作風や規模、本格的な窯を求めるべくお金はいくらかかってもいい!という方もいます。
無理のない範囲で、自分に合った窯を選びましょう。

3:環境で選ぶ

・今ある環境をなるべく変えずに窯を導入したいのか
・環境の整備も踏まえて窯を導入したいのか

それによっても、選択する窯は変わってきます。

今回は、陶芸窯の種類について比較し、ポイントをまとめました。

電気窯、ガス窯、灯油窯、それぞれの窯の中にも、様々なメーカーや種類があり、購入時には悩むと思います。

人の好みや価値観は様々ですが、最後に私の個人的な意見としては、「電気窯」はとても便利で簡単でおすすめです(笑)

電気窯の選び方についても、次回コラムでご紹介したいと思います。